臨床見聞

道教医学・董氏奇穴針灸学に関する講習会のご案内/東京 自由が丘 7.23

臨床見聞

「2015年 春 台湾研修 後編」

「2015年 春 台湾研修 後編」

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日本の少し南。

台湾。

私たちが台湾へ訪れる理由は1つ。

董師奇穴針法を学ぶため。

胡文智老師から董師奇穴針法を教えていただく。

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ここへ来て胡老師の姿を見ていると、
針の奥深さに気付き、喜びを感じる事ができる。 

「ここで学んだことをことを多くの患者さんに」。
これまで何度、この言葉と向き合ってきただろうか。
董師奇穴と十全穴を使うとき、
忘れかけた大切なことを思い出す。


日々の暮らしのなかで、知らないことを知る機会は数多く存在する。
しかし、それらの情報を手にする時は、知らないという事を知っている。
けれど、知らないことすら知らないことがある。

胡老師から機会を与えてもらい初めてその存在を知る。
自分の枠の外を。

合谷が何に効いて、どんな時に使って、どれくらい刺したら補で寫で、針を刺したらこうで、灸をしたらこうなって・・・。
ということは誰もが得ている情報。

けれど、この物差しの1つの目盛が私の考える価値や評価基準であったり、
固定された思考だとすると、それが邪魔をすることもある。
それは、形あるものだから。

何が言いたいか。
胡老師から形が無いことの存在を教えていただいたという事。

針は誰にでも刺すことが出来るが、刺すとねじ入れるでは意味は異なる。
しかし、体内に入ったという事実は変わらない。
その違いは何だろうか。

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先日、銘刀を扱うお店にいく機会があったのですが、
そこで、オーナーの方に銘刀とは何かという話を教えていただきました。
日本刀を見て感動するのは神秘性、極限を追求したがゆえに生まれた美しさであると。
そして、むだのない洗練された姿の美しさ、深く青々とした地鉄の鍛え込まれた美しさ、
星のように煌く刃文の美、祈りを込めた彫刻美など複雑な美が渾然一体となって一振り
の日本刀が出来ている。よく斬れるから名刀なのではないと。

切れ味は形があるもの。
しかし、美しさには形が無い。
感じるものである。
何を感じるかは、それぞれの感覚である。

胡老師の治療について思うことがある。
初めの頃、勝手に解釈を加え自分のものにしていた。
つまり、こうであろうと意味付けして形あるものにしようとしていた。
けれど、毎年機会を与えていただき、胡老師の視線の先、手元、針の刺し方、呼吸、
立ち振る舞いを感じていると、私の枠で量ることのできないものがある。
それは、形がないということ。

治療後に石井さんと話をしていて、お互いに感じた事があった。
それは「気」の存在。
目には見えない強さを感じるのだ。

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針を綺麗に刺す、痛くないように刺す、的確に、このくらいの深さで、補はこうで、寫はこうで、そして経絡は。
それらの基本はもちろん大事ではあるけれど、これらが全てではないことを学んだ。
そして、これらは互いに表裏をなし、有形無形それぞれ大切であることを。

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胡老師に出逢っていなければ、知らないことを知らずにして針道を終えていたで
あろう。

針の道に入門して、中医学は素晴らしいと本当に思う。
いや、針灸そのものが本当に奥が深く素晴らしいものである。
しかし、口伝や秘伝も多く、これらを知ると知らないとでは見える世界が異なる。

台湾に行くと思うことがある。
それは、ここには不思議なものがあると。

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「2015年 春 台湾研修」

「2015年 春 台湾研修」

日本が晴れていた頃

台湾は雨だった。

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陽明山の桜は強い風に吹かれ散っていく。

季節が移りゆく台湾の景色。

日本の桜が咲き誇る頃、台湾には綺麗なつつじが咲く。

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それぞれが、それぞれの時間を楽しむ

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温泉にゆっくりと浸かり

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池澤先生が太極拳を披露
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夜はロビーに集まり勉強会

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書店のオーナーから胡椒餅を振る舞われ
店内で焼きたてを頬ばることに。

不思議な光景。
そして、本と胡椒餅の香辛料が合わさる不思議な匂い。

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真面目な話をしたり

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熱熱の揚げ茄子を早食いをしたり
中山さんと川木さんが勝負したり。

石井さんが台湾バジルにはまったり
健太郎さんと倉重さんが料理に興奮したり。
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胡老師の治療院での研修模様は編集中のため次の機会で。

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2016年 高雄経由台北行き篇につづく。



「2015年浅川ゼミ会講演会」

「2015年浅川ゼミ会講演会」

2015年3月1日 東京・八丁堀 東京医療福祉専門学校で開催された
浅川要先生のゼミ会にご招きいただきました。
浅川先生は中医学の第一人者であり、常陽学園で卒後教育の一環として
鍼灸免許を取得された方々に鍼灸術の修得のため講義を行われています。
昨年度、王醫仙治療院で実現した交遊や横田篤広先生のお力添えにより、
「王醫仙流鍼灸術の実際」という講演会を開催しました。
会場はというと沢山の参加者が。

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「王醫仙流鍼灸術の実際」として

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「乎観針道 捷法最奇」が紹介されました。

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そして、実技の時間にはスクリーンに映像が流され、
近くで見ることが出来ない方もスクリーンを見ながら手元が分るという
参加者に優しい講演会。

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会場を歩き、自ら針を受けるという場面も。

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実技の時間には、日頃使っている方法で治療を。
董師奇穴や基本穴の刺針方法などを解説。

「針は楽しい」。
王先生が幼い頃から持ち続けているもの。
それは、初めて針に触れた時に抱いた好奇心です。
針は本当に不思議なもの。
美しいものです。
その気持ちを皆さんに持ち続けて欲しい。
この講演会を通して、みなさんが扱う針は自由だということを
感じていただけたら幸いです。
浅川先生、横田先生、ならびに関係者の皆さま。
ありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。


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「2014年日本中医学研究会講演」

「2014年日本中医学研究会講演」

2014年4月13日 日本中医学研究会 会長 木本裕由紀先生に
ご招待いただき、大阪千里ライフサイエンスビルで西洋医師の皆さまに
講演させていただきました。

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初めての大阪講演。
どんな方が参加しているのだろう。
そんな不安を抱えながら控室を出ると、そこには優しい笑顔の女性スタッフの皆さま。
その笑顔をみた瞬間、それまで緊張していたことが嘘かと思うくらいに緊張が解け、
やる気に満ち溢れました。
どうやら女性の笑顔には、合谷と足三里のような効果があるようです。

さて、
「ほな行こか」

その言葉で幕が開いた大阪講演。

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はじめの一言で場の空気がどっと和み、会場の緊張感はどこかへ。
時間・空間・人間という三才の意味を考えても、一言で自分のものにしている
ところは、さすがです。
今回の講演は「鍼の初心者でも次の日から使える」ということを目的に
講義は組み立てられていました。


「大切なことは基本」。

参加者のほとんどはドクター。
けれど、真理はひとつだけ。
それは、基本が大切ということ。

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そんなことを気づかされたことがあります。
「私が若い時、立派な方に会いました」
「その方は小倉先生。剣道で唯一十段の先生でした」
「そんな小倉先生に、剣道というと何が重要ですか?」
「その答えは、基本」

針の基本は何か

その答えは、穴、技、気です。

この日に学んだ「臍上の病気は合谷、臍下の病気は足三里」は、私も学生時代に
教えていただいた話。
その話を繰り返し繰り返し学び、はじめは経穴という表面的な意味で捉えていました。
悪い言い方をすれば、2/361の経穴。
しかし、実際に2/361という考えだけで治療が成り立つのかと考えると、それでは
単なる経穴でしかないのです。
ちなみにこの2穴で50の病に効果があります。
合谷は17種類、足三里は33種類です。
これを「全身療法」という考えで分かりやすく説明していますが、この経穴に対して
具体的にどのように刺すのか。
そこに意図がなければ、針は単なる物質でしかありません。
つまり、病気を治療する時、診断する時、何をまず考えるべきなのかによって、
その効果は大きな差が生まれます。
2穴による効果はたった50なのか、それとも50もなのか。

1本の経絡

陽明経と太陰経、太陽経と少陰経、少陽経と厥陰経。
これらの組み合わせと経穴の本当の意味を知ることで何が変わるか。
そこに目的が生まれるのです。
このことを教えてくれたのは、祖父 王清溪老師でした。

例えば陽明経・太陰経。
陽明経と太陰経は、前頭部の痛み、目、鼻、口、喉、胸、お腹など
前の病気に効果があります。そしてこれらの代表穴は公孫。

例として、手太陰肺経の列缺。この経穴の本当の意味と働きを知ることで
片頭痛が治る理由が分ります。
また、穴性 宣肺去風・疎経通絡だけではなく、多種多様な疾患に対して効果
が得られる秘訣もあるのです。それには角度・深さ・刺激量が関わってきます。

さらに董師針術の特徴、多針、骨針、動針を加えることで、その効果は7倍にも
増します。

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公孫ひとつを取っても、取穴方法、刺針法、さらには主訴に対しての動針によって
可能性が広がるのです。

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さらに、重子と重仙(手二重)。
呼吸器系、肺結核、肩こり、首の痛み、腰痛、婦人科系の病に対して効果があります。
そのポイントは、必ず2本刺すということ。そして骨に当てるということ。
このポイントが後の効果を左右します。

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【 内三関: 腎関・三陰交(脾関)・肝関 】




意針切皮

これまでのことにさらに刺針術を加える。
それが意針切皮。
虚実の体質による刺針の使い分けをおこなうことで、刺針効果が変わるのです。
針の基本である穴、技、気は、このように意識をもつだけで大きく変化します。

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午後の講義は、目・肩・腰の配穴について。
その一部を補足として記載させていただきます。

【 目 】
絡刺実証:太陽    絡刺虚証:腎兪
経刺:合谷・太衝・手上焦・三陰交下1寸
火針:眼穴・肩中

【 肩 】 
絡刺実証:大椎    絡刺虚証:二沢・条口・豊隆
経刺:手二重・腎関・手二骨・絶骨
火針:肩髃・手二里・支溝

【 腰 】 
絡刺実証:患部    絡刺虚証:二委
経刺:合谷・太衝・絶骨・手下焦
火針:風市・側三里・丘墟



1日の講演を終えて

講演は先生の優しさが詰まっていました。
ふと思うと、詰めこみ過ぎていたのか。
一瞬そう頭をよぎりました。
けれど、講演内容のボイスレコーダーを繰り返して聞いていると、
そうは思えないのです。
それは、皆さんに明日から患者さんのために使って欲しいから。

「針はすごい!!」
それを大阪の講演で知って欲しいのではなく、
そんなことよりも、針は多くの可能性を持っているし、私はそれを
6歳から今日まで自分で体験してきたこと。
だから、皆さんが針治療を体験して、その可能性を知って欲しい。

講演内容は、疑問がどんどん生まれたことだと思います。
私は、醫仙のそばに10年近くいるのですが、初めての講義の時、そのすごさは
すぐには分りませんでした。
なぜなら、圧倒されて驚いたからです。
「すごい・・・。」けど、何でだろう。
法則性がないことで理解するまでに時間がかかり、謎めく不思議さ。

帰ってからボイスレコーダーの内容、写真、映像を繰り返し繰り返し
何度も何度も見直して、なぜだろう?どうして?を繰り返していると
見えてくるのです。

自分が求めていた話や内容は、あの時に五感で得たたことよりも
多くの意味が含まれています。
その価値は、やってみて初めて分かるもの。そして、その再現性に
驚くはずです。
だからこそ、続けて学んでください。本で学べることは限られているけれど、
映像、音、匂い、空気を共に感じることで可能性は大きく変わります。
ぜひ、東京へお越しください。




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木本先生ならびに関係者の皆さま。
この度は、日本中医学研究会講演にお招きいただきありがとうございました。
木本先生の探究心、好奇心。
13時からのお話をうかがっていて、NYSAや高麗手針のお話は本当に面白く、
前のめりで聞いていました。
木本先生が見ているもの、それは闇でなく光。

羽生善治さんの本を読んでいて、「過去に引きずられて判断を誤る」という一文が
印象的なのですが、過去の経験や状況がミスを誘うこともあるというのです。
漢方医でいらしたお父様がお亡くなりになってからの漢方への取り組み。
そして中医学への転身。
それまで積み上げてきたものは簡単でも、捨て去ることはとても難しいと書かれて
いるのですが、過去に引きずられることなく、前へ進む木本先生は本当に立派な
方です。そして、その光という可能性に多く人を導いています。
将棋界には、
「反省はするが、後悔はしない」という言葉があるそうです。
反省は必要でも、それが済めば後悔する必要はなく、その経験や体験が自分自身の
実力を上げていくうえで必要不可欠なプロセスになる。消化し昇華させることが大切だと。
そして、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とあるのですが、
木本先生の多くの経験は、後に走る私たちの大きな力でもあります。
去年の9月からご一緒させていただくようになり、その臨床での話を伺って真似てみると
面白いように変化が生じるのです。

道をひらいてくださった木本先生に心から感謝申し上げます。





















「胡老師との再会 後編」

「胡先生との再会 後編」

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主訴に対して頸部の問題を丁寧に指導していただきました。
正しい状態とそうでない状態の違いとは。
治療をしながら、その微かな変化を見逃さず最も良い体の状態に。

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これまで胡老師から学ばせていただいた手掌診と手掌針を実践していますが、
その効果は絶大です。
そして、頸部や腰部の刺針効果は10年以上痛みに悩まされていた人に対して
特別な治療効果が出ます。

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同時に胡老師が40年間の研究と実践を通じて発見した「十全穴」の効果は
驚くばかりです。
足に力が入らなくなり、家族に支えられないと歩けない高齢の女性に治療を
おこなったところ、帰る時には足腰に力が入り、歩く速さも歩幅も大きく変化しました。

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治療後のひと時。
何をお話ししているのでしょう。

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董景昌老師が残してくださった董師奇穴針灸学。
そして、その学問、方法、技術を研究して中国伝統医学の知識を継承して、
将来に広げるために、日本からの私達へ学びの機会を与えて下さった胡老師に
心から感謝申し上げます。



「胡老師との再会 前篇」

「胡先生との再会 前編」

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今年も胡老師の元へ董師奇穴針法を学びに。
私自身は2年ぶりの来台であり、胡老師のもとへ伺うこともあの日以来。
この場所を訪れると自然と身が引き締まります。

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挨拶を終え、いよいよ董師奇穴針法を学ぶ時間に。

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董師奇穴は全身に740余りの穴が存在します。
胡老師から学んだことによると、740穴のうち200穴程が一般的に使用されていて、
その中の72穴は特定の症状を治療するために見出されており、32穴は緊急医療に
用いられます。※72絶針(病変に応じる針)、32解穴(医原病への針)

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董師奇穴の医学理論及び治療効果はとても優れているもので、胡老師から伺った
話によると董師奇穴針法は、長期間にわたる疾病と同様、難病の治療に極めて
効果的で、脳卒中とその後遺症、癌の治療と化学療法のリハビリにおける効果は
大きい。その中で、指、手背、手掌の治療効果は絶大です。

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胡老師の治療は診断と治療を同時におこなうのですが、その速さに驚くと同時に
治療技術の高さに目を奪われます。

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また、刺針後に体に大きな力が働くことが分かます。
目的に対して効果を的確に与えるということには、これまで多くの方を
治療してきたという重みを感じずにはいられません。

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手掌診断をおこないながら治療に進みます。
帰国後、刺針後の写真を紙に書き写したのですが、何かの法則があるのではないか
と思うほどに刺されている針が何故だか美しいのです。



















2014年台湾研修を終えて

2014年台湾研修を終えて

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台湾へ行くことは「学ぶ」ことだけではなく「知る」ことを知ること。
それは針道へと繋がる。
私たちにとって針道を追求することは普遍的なことだが、
料理人に例えると、その道を追求する時は技なのか、味なのか、道具なのか。
はたまた哲学なのか。

醫仙のそばに身を置いて何年が経ったのだろう。
その中で学んだこと。
それは今の私自身。
そして、毎年の台湾研修は、日々学んでいるものをさらに輝かせるための光。
すなわち道。
しかし、師がこの道を切り開くためにどんな苦労があったかを私は知らない。
帰りの空港で、妹さんがこんなことを私に話してくれた。
「愛之深 則之切」。愛することは時に苦しさにもなる。
台湾で学んだこと。
それは例年以上に多くのことがあった。
私なりに思うこと。それは自分を愛すると同時に、他人を慈しみ(愛しみ)大切に
するということ。それが日頃の臨床で見えない力になる。
誰かを尊敬したり、敬うというと難しく思えるけれど、家族である1人ひとりを
大切に出来たのなら、それは皆の幸せに繋がる。
王醫塾は私の大切な家族。
王醫塾には私の大切な父母兄弟姉妹がいます。
そんなことを改めて気づかされた台湾。
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台湾には、王醫塾には、そんな昔ながらの優しさがあります。
それが私の学んだ道。
台湾で学んだこと。













東京九鍼研究会 特別講習

東京九鍼研究会 特別講習

2014年3月2日 千葉幕張の関東鍼灸専門学校へ東京九鍼研究会さんの
午後部「研究会 特別講座」に招待され、王老師の特別講座が開かれました。
今年で3回目の特別講座 その内容は針灸上達のコツであり骨(コツ)、つまり私たち
鍼灸師の「身柱」について。

私たちが上達するには1つ
「本を繰り返し読むこと」
私はお正月に1冊の本を読みます。その本は澤田健先生の本「鍼灸真髄」。
そして、彭静山老中医の本。この本は私のお薦めです、是非学んでください。
ですが、何よりも自分の中心として大切な石原先生の本を読み学ぶこと。
自分の柱として学んでいるものを基本とすることが重要です。
「繰り返し繰り返し、1冊の本を読み返す」。これをしてください。

2つ目「多針」。いっぱい刺すことではなく、
「臨症経験が豊かな先生について、その臨床をしっかり見て勉強すること」
それが一番の近道です。近くで勉強することが大切。
そして、なぜこのツボを使うのか?自分はこのような考えがある。その理由を聞くこと。
しかし、先生が正しいとは限らない。先生のように治療すれば治るとは限らない。
その理由、それは「先生の手とあなたの手は異なるから」。
絶対に先生と同じツボを使い、先生と同じ刺し方をすることは基本ですが、治療は自己流。そうすることで上達する。
先生が使わないツボだから、私も使わないはおかしい。それが正しいとは限らないのです。そのことについて一言「師より真理だ」。

3つ目は「医案を学ぶこと」
鍼灸大成などの本に書いてある医案を読み覚える。
なかでも楊先生の医案を是非読んでください。

呼吸器疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、精神疾患・・・。
五臓六腑との関わりや関係をよく覚えること。

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鍼灸で重要なこと。それはポイントを知ること。
それを応用する。「その病は五臓なのか六腑なのか」。
それが分らないと弁証もできない。
必ずどんな病も五臓に戻って考える。

例えば、日本に来るには羽田空港・成田空港の2か所の空港が重要。
私の治療院へ来るには渋谷・品川・目黒駅を使えば早く来ることができる。
どこを使うか、どうやって使うか。それを覚えることが何よりも重要です。
そして、董師の特徴である3つの基本によって、さらに応用が可能になる。
それが、

1 多刺
2 骨刺
3 動針

これらを是非覚えて下さい。
一般論で治らないとき、これらの方法によって効果が7倍変わるのです。

講義は後半に進み、針賦から効果がある穴を紹介。

胎位不正:至陰
口臭:大陵
鼻血:少商
打撲:承山
黄疸:後谿
瘧疾:間使
乳痛:少沢
小児:身柱
老人:命門
夜泣:中衝(便秘:四縫 ・ 風邪:三商)

そして、舌針についての実技と臨床実践を参加者の皆さんに。
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最後はにこやかに記念撮影

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そしてこの後、皆さんで美味しい食事と紹興酒をいただきました。
王先生が乾杯をする時、合言葉は「漢 おとこ」。
中倉先生と加畑先生は勢いよく飲んでいました。
また、飲ませ上手な石原先生。
「今日はお酒を飲むのはやめときます」と言っていた王先生でしたが、
いつの間にか利き酒会のようになり楽しく気持ちよい雰囲気に。
この不思議な温かい雰囲気はどこかで感じた事があるもの。
それは春の穏やかな風。
九鍼研究会の皆さんは、とても優しくて穏やかで柔らかい。
まるで春の風のように人を優しく包み込む。
皆さんと一緒に楽しい時間を過ごす時、学術の話をしなくても楽しい会話が飛び交う。
そして笑顔が絶えない。
「笑うこと、笑わせる」ことは愛があるからできることで、その優しさが自然に
溢れている。一緒にいる空間は、そんな愛に溢れた場所でした。
素晴らしい会にご招待してくださり、ありがとうございます。
来年度もどうぞよろしくお願いいたします。


















交遊録

交遊録

王先生は、以前から多くの先生方と鍼灸や漢方の学術について交遊をおこなってきました。
今回、友人である横田先生のご紹介で浅川要先生との対談が王醫仙治療院
で実現しました。

王先生が日本に来日したのはおよそ25年前。
右も左も分からず偶然入った書店。来日して最初に買った本が、浅川要先生の
訳著した3冊の本でした。
そのことを日頃から伺っていたのですが、これは本当に大きな縁です。
そして、王先生が学生時代に読んでいた「針灸学」原著(上海中医学院編)もまた、
浅川先生が影響を受けた1冊の本であるとおっしゃていました。

出逢いや巡り合いというものは、きっかけが何であるかわかりません。
偶然のようでいて、自然と引き寄せられるもの。
人との出逢いは織り成す一枚の布のように、縦糸と横糸でいつか出逢うように
できているのかと思います。

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